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二条城

2018.08.27

元離宮二条城

二条城
さまざまな神社仏閣がある京都市内において、武家社会を象徴する「城」が元離宮二条城です。長く日本を統治した江戸幕府(1603-1868年)の始まりと終わりの舞台にもなった場所です。将軍・徳川家の威光を示すかのように、建築当時の華やかな文化を取り入れた装飾は目をみはるものがあります。1994年には世界文化遺産にも登録され、多くの観光客でにぎわう人気のスポットです。

現在、平成の大改修が進んでおり、完了したものは建築当時の金箔が輝き、あでやかな彩色を取り戻した姿を目にすることができます。また築城400年を記念し開館した「二条城障壁画 展示収蔵館」では二の丸御殿の障壁画の原画や埋蔵物など、貴重な資料を目の当たりにすることができます。

現代アートやカルチャーとのコラボレーションにも積極的で、夏は通常非公開の「香雲亭」で、日本庭園を鑑賞しながら朝食をいただけるイベントを催したり、過去にはライトアップされた夜の城を金魚が舞い泳ぐ「アートアクアリウム城」なども開催されました。

二条城まで徒歩圏内の宿泊施設やショップとともに、二条城とその周辺を楽しみつくす観光情報をご紹介します。

二条城とは?

二条城は1603年、京都御所の護衛および将軍の京都滞在時の宿泊施設として造られた平城です。平城とは、戦への備えが重要視された戦国時代の城とは異なり、経済の発展や政治の効率化を重視して、平野部に建てる城のことを言います。二条城の周囲は1.8㎞もあり、約27万5000㎡もの敷地の中に京都御所から移築された本丸御殿や3つの庭園など、多くの見どころが広がっています。中でも必ず押さえていただきたいのは、唐門と国宝の二の丸御殿、特別名勝の二の丸庭園です。

・唐門

二条城とは?
入城受付からすぐの東大手門をくぐり、城内を左に進むと重要文化財に指定されている唐門があります。三代将軍徳川家光が完成させた、檜皮葺きの切妻造りという山型の屋根に唐破風の装飾を付けた門で、極彩色の欄間彫刻が特徴的です。

2013年に大修復工事が完了し、金箔や漆塗りの装飾が建設当時の鮮やかな風合いを取り戻しています。また修復中には天皇家の印である「菊の御紋」を外すと、覆い隠されていた徳川将軍家の「葵の御紋」が発見されました。大政奉還(後半で詳述)を経て城主が変わった歴史を如実に表すものとして、注目を集めました。


「二の丸御殿」

二条城とは?2
3,300㎡の建物に、33の部屋が並ぶ二の丸御殿は、将軍が住まいとして使うほか、多くの家臣と謁見(えっけん)し政治を行う場所でもあります。牛車がそのまま屋内へ入れる「車寄(くるまよせ)」、大名たちの待合室である「遠侍(とおざむらい)」、将軍のプライベートスペースである「黒書院」「白書院」、謁見が行われる「大広間」など、6つの建物がつながっており、江戸時代初期(17世紀)の「書院造」という建築様式を残すとても貴重な建物です。

二条城とは?3
二の丸御殿には狩野探幽をはじめとする、日本を代表する画家集団・狩野派が描いた3,600面以上の障壁画があり、そのうち1,016面が重要文化財に指定されています。きらびやかな金地から今にも飛び出してきそうな虎や隆々と茂る松の木など、徳川幕府の威信を各大名に知らしめる大迫力の作品たちです。御殿内の障壁画はレプリカですが、「二条城障壁画展示収蔵館」に行くと原画を見ることができます。見学コースの一部には、人形を用いて将軍に大名たちが謁見する様子を再現した部屋もありますので、緊張感漂う当時の大広間の様子を想像しながら歩いてみてください。

また御殿内の廊下は「鴬張り」の廊下と呼ばれ、歩くとキュッキュッと音がします。自分の動きに合わせて鳴る、鳥の鳴き声のような音を楽しんでください。


「二の丸庭園」

二条城とは?4
二の丸御殿の隣に広がる二の丸庭園は、当時の有名な作庭家・小堀遠州の手による池泉回遊式庭園(名所などを岩石や木々で再現し、書院造の建物から鑑賞する庭園)です。こちらは不老不死の力を持つ神仙蓬莱の世界を表しているとされ、特別名勝に指定されています。池の周りには力強さを感じさせる巨石が配置されており、こちらも徳川将軍家の権威を示しています。

二条城の歴史

二条城は、歴史の大きなターニングポイントに立ち会った場所です。 1603年に関ケ原の戦いに勝利した徳川家康が、朝廷(天皇を中心とした公家の政権)から征夷大将軍(武家のトップで、朝廷から任命されて政治を行う者)に任命された際には、大名(将軍の部下として各地域を統治する武将)たちを集めた祝賀パーティが催されました。つまり、その後250年にわたり日本を治めた江戸幕府が産声を上げた地でもあるのです。
1611年には将軍家康と、もとの主君・豊臣秀吉の嫡子、秀頼との会見場にもなりました。ここで成長した秀頼の頼もしい若武者ぶりを目の当たりにした家康が、江戸幕府の今後に危機感を抱き、豊臣家を滅ぼす決意をして大阪冬の陣・夏の陣へと突入していったと言われています。
その後、徳川幕府がその地位を盤石なものとしていった三代将軍・徳川家光の時代、天皇の行幸を仰ぐため、豪華絢爛な唐門・二の丸・天守閣などを造営し、現在の城郭の原型ができあがりました。

そして時は流れて1867年11月9日。十五代将軍徳川慶喜による「大政奉還」の発表が二条城二の丸御殿大広間で行われました。大政奉還とは、長く武家が握っていた政権を、天皇を中心とする朝廷に返上するという宣言であり、同時に徳川幕府という武家社会の終焉も意味していました。

大政奉還後、二条城は天皇家が管理し「二条離宮」と呼ばれ、天皇の宿泊所としても活用されました。1939年に京都市に下賜(かし)されたのち、一般の観光客にも公開されるようになったのです。

日本全国を見渡しても、建設当時の姿のまま現存する城の御殿は4か所しかなく、二条城はその一つです。2017年には大政奉還から150年という節目を迎え、来城者数が200万人を突破し、京都が誇る一大観光スポットとなっています。

二条城の歩き方/二条城でするべきこと

二条城の周りには、他にも立ち寄りたい見どころや個性的なショップがたくさんあります。 二条城の南側には、天皇家が所有していた美しい庭園「神泉苑(しんせんえん)」があります。龍王が棲むと伝わる池や、そこに架かる朱塗りの橋など、平安時代 (8世紀末~12世紀末)の雅な趣が色濃く残り、二条城とともに観光してほしいスポットです。

また御池通を東へ歩き、西洞院通を北へ曲がると金の鳥居が目を引く「御金神社(みかねじんじゃ)」が見えてきます。小さなお社ですが、お金や資産運用の神様として信仰されています。

二条城の周囲には、古い町家が今も残る閑静な住宅街が広がっており、その街並みにとけこむように昔ながらの生活道具やおもちゃを扱う店舗などがあります。近年では町家をリノベーションしたカフェやコーヒーショップ、かき氷の有名店などが次々とオープンしており、おしゃれスポットとしても注目のエリアです。

夜はライトアップされた二条城を見下ろすANAクラウンプラザホテルや、町家暮らしを体験できる小宿 布屋に泊まり、二条エリアを一日中堪能しましょう。

二条城の営業時間は?

二条城の開門は朝8:45から、閉門は17:00で、夏期は8:00~19:00に延長される予定です。最終入城は16時(夏期は18時)までですが、ついつい見入ってしまう文化財や庭園がたくさんあるので、余裕をもって入城しましょう。入城料は600円で、東大手門横の受付でチケットを購入してください。専門ガイドの説明を受けながら城内を回れる公式ガイドツアーもあります。12月29日~31日は休城日で、その他にも行事やメンテナンスなどで入城できない日がありますので、訪れる前に念のためホームページで確認するか、事務所などへ問い合わせてみてください。

二条城にはどう行けばいいの?アクセス方法は?

二条城の最寄り駅は、京都市営地下鉄東西線「二条城前」、または京都市バス「二条城前」バス停です。どちらも二条城の目の前に到着することができます。

二条城に行きたい!どこに泊まれば良い?

二条城から歩いて行ける、おすすめの宿をご紹介します。

「ANAクラウンプラザホテル京都」

二条城に行きたい!どこに泊まれば良い?
二条城の東大手門から道を挟んで真向かいに建ち、二条城観光においてこれ以上ないアクセスの良さを誇るホテルです。
1階ロビーに展示されている砂糖菓子で作った二条城のジオラマでは、焼失した天守閣などが再現されており、栄華を極めた在りし日の二条城の姿を目にすることができます。

二条城に行きたい!どこに泊まれば良い?2
さらには、二条城を見下ろすキャッスルビュールームの確約プランがあるところが見逃せないポイント。城内を満喫した後、部屋に帰れば二条城の全体像を優雅に見渡す楽しみが待っています。朝食は地元の人にも評判の「カフェレストラン・コージー」のバイキングか和定食を食べることができ、京都旅行を満喫できるホテルです。

●京都市中京区堀川通二条下ル土橋町10番地
●075-231-1155
http://www.anacpkyoto.com/
●【キャッスルビューデラックスツインルーム(食事なし)】1名利用時17,600円~(二条城入場引換券付き、料金は変動あり)


「小宿 布屋」
夫婦2人で切り盛りする1日2組限定の宿で、築130年の京町家に宿泊できます。「布屋」という名前は、昔この家で蚊帳(夏、寝所の周りに吊るしていた網目の荒い布)を商っていたことに由来します。間口が狭くて細長いことから「うなぎの寝床」と呼称される、京町家の特徴的な造りや小さくとも美しい坪庭がそのまま残り、伝統的な家屋そのものをじっくり見ることができます。5名以上なら貸切にできるので、友人や家族とプライベートな時間を楽しめます。朝食は奥様お手製で、土鍋で炊いたごはんと、野菜を中心とした「おばんざい(京都の家庭料理をさす言葉)」。古き良き京都の暮らしを体感できるお宿です。

●京都市上京区油小路丸太町上ル米屋町281
●075-211-8109
http://www.nunoya.net/
●1泊朝食付き1名8,000円

二条城で買うべきお土産

「京都市観光協会二条城売店」
2016年にリニューアルオープンした二条城大休憩所。その中にある売店では、京都の代表的なお菓子はもちろん、清水焼や京焼など一流の工芸品まで幅広いオリジナルグッズを取り扱っています。

二条城で買うべきお土産
「二条城・伝統の逸品」コーナーからは、徳川家の家紋である葵の御紋をモチーフにしたピアスや、唐門の欄間彫刻をモチーフにしたブローチといった京七宝のアクセサリーなど、伝統工芸品とコラボレーションした物がお土産におすすめです。ほかに二条城大広間の障壁画をデザインに取り入れたバンド付きメモ帳やポーチなど、オリジナルグッズも豊富。重要文化財にも指定されている、日本を代表する絵画を日常使いできる小物に取り入れてみませんか。

●京都市中京区二条通堀川西入二条城町541(二条城大休憩所内)
●075-811-0128
https://www.kyokanko.or.jp/nijojo_shop/
●8:45-16:45(季節により変動あり)
●二条城休城日に準ずる


「京こま 雀休」

二条城で買うべきお土産2
二条城・神泉苑の向かいにある、京都で唯一の「京こま」のお店です。「京こま」とはその昔、公家(貴族)や宮中(宮殿)に仕える女性たちの遊びとして親しまれたおもちゃのひとつ。かつては着物のはぎれを竹芯に巻き付けて作っていたなごりで、とてもカラフルなものが多いのが特徴。現在は木綿の紐で作られています。

二条城で買うべきお土産3
前日までに電話での予約が必要ですが、自分の好きな色の紐を選んで、京こまの手作り体験(2,500円)をすることもできます。職人さんのアドバイスをもらいながら、誰でも1時間程度で作れますのでぜひ体験してみてください。

他にも、ストラップ型のこまや、京野菜などをモチーフにしたかわいらしいミニこまなど、おみやげにぴったりのこまもたくさんあります。あげる人のイメージにぴったりのこまを探してみてはいかがでしょうか。

●京都市中京区神泉苑町1
●075-811-2281
https://www.shinise.ne.jp/jakkyu/
●11:00~18:00
●日・月曜休み

二条城に行った時はここで食事やカフェタイムを!

「Green Cafe Style茶乃逢(さのあ)」

二条城に行った時はここで食事やカフェタイムを!
東大手門をくぐって右に曲がったところにある、二条城大休憩所内の抹茶カフェです。八つ橋や抹茶ゼリーなど、京都銘菓をふんだんに使ったパフェ「京もてなし」や、二条城の金屏風をモチーフに、抹茶ソフトに金箔をのせた「黄金ソフト」といったオリジナルスイーツなどを、史跡の中にいながら味わうことができます。二条城内めぐりのあとのおやつ休憩にぴったりです。

●京都市中京区二条通堀川西入二条城町541(二条城大休憩所内)
●075-813-5055
https://www.kyokanko.or.jp/nijojo_shop/
●8:45-16:45(季節により変動あり)
●二条城休城日に準ずる


「Alpha food and drink」

二条城に行った時はここで食事やカフェタイムを!2
二条城からほど近い住宅街の中に現れる、黄色い扉が目を引くこちらのお店。オープン直後からフォトジェニックなメニューが話題を呼んでいる、無国籍感漂うおしゃれなカフェです。

二条城に行った時はここで食事やカフェタイムを!3
大人気の「雲下(くものした)コーヒー」は、もこもこの綿あめがホットドリンクの湯気で溶かされ、砂糖の雨が少しずつドリンクに降り注ぎます。コーヒー以外にも抹茶オレやカプチーノなど、全部で9種類も用意されているところも嬉しいポイント。また写真右の「鉢植えデザート」は、本物のミントの鉢植えと見間違えそうな出来栄え!土に見えるのは砕いたチョコレートクッキーで、その下にはティラミスが隠れています。スコップのようなスプーンで勢いよく掘り進めながら食べてください。

●京都市中京区西大黒町327
●075-286-8285
https://www.facebook.com/kyotoalpha/
●12:00-18:00
●水曜休み

「らん布袋」
商店街の中にある町家カフェ。大正ロマンをコンセプトに、レトロなしつらえの店内で本格的な抹茶や抹茶スイーツを楽しめます。カフェのプロデュースをしているのは、カナダ人の裏千家准教授、ランディ・チャネル宋榮さん。2階ではランディ准教授による茶道体験も行っています(前日までに要予約、1時間程度)。もちろん英語で教えてくれるので、気軽に体験してみてはいかがでしょうか。

●京都市中京区上瓦町64 京都三条会商店街内
●075-801-0790
https://ranhotei.com/
●11:00-20:00(金曜は~23:00)
●木曜休
●茶道体験1名3,500円

二条城まとめ

歴史の大きな転換点の舞台となり、日本史を語る上でも重要な史跡である二条城。大広間のきらびやかな障壁画や、各時代の作庭の特徴が分かる美しい3つの庭園など、ただ見るだけでも十分に楽しめますが、この場所で何があったのかを知ることでより歴史のロマンを感じることのできる場所です。ぜひ日本文化・芸術と歴史を堪能する一日を過ごしてください。

「元離宮二条城」
●京都市中京区二条通堀川西入二条城町541
●075-841-0096(元離宮二条城事務所)
http://www2.city.kyoto.lg.jp/bunshi/nijojo/
●600円(公式ガイドツアーは日本語+1,000円、英語+2,000円。2019年4月からは二の丸御殿観覧料別途400円必要)
●8:45-17:00(入城は~16:00)、季節により変動あり
●休みは要問い合せ

※2018年6月20日現在の情報です。詳細は直接お問い合わせの上おでかけ下さい。

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