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餃子

2018.08.24

餃子
餃子やそれに類似したものは中国や韓国、モンゴル、ネパール、ロシアなど、様々な国にありますが、素材や調理法が違えば、名前も違います。その国の風土や文化により、その国独自のものになる餃子。

日本にはサイドメニューに餃子があるラーメン店が多くあります。店によってはご飯と餃子の定食や、チャーハンと餃子がセットになったメニューも。おかずにも、主食にも、そしてお酒のおつまみにもなるのが日本流。最近では餃子の居酒屋やバー、バルなども続々とオープンしています。今回は、実は奥が深い日本の餃子の話を紹介します。

餃子とは? その歴史は?

餃子とは、ミンチ状にした肉類やみじん切りにした野菜などを練り、その餡を小麦粉で作った薄い皮で包んだもの。日本の餃子は中国から渡ってきたといわれ、古くは300年以上前の文献にその名が出てきますが、一般的に食べられるようになったのはそれほど前のことではありません。日本の焼き餃子を誰がどこで提供しはじめたのかは不明ですが、中国に住んでいた日本人が帰国後、その味恋しさに再現し、1950年前後に日本人好みの薄皮でパリッとした焼き餃子を出す専門店や中国料理店が続々とオープン。庶民的な価格でお腹いっぱい食べられると人気に火がつき広まった、というのが定説です。

餃子の種類は?

日本では焼き餃子が主流ですが、水(茹で)餃子、揚げ餃子、スープ餃子など、いろいろあります。また同じ焼き餃子でも、片栗粉を水で溶いたものを入れて焼き上げる羽根つき餃子や棒状に包んで両面を焼いたり、焼き加減や形も様々。さらには地元特産の食材や文化を生かしたご当地餃子が人気です。栃木県宇都宮市や静岡県浜松市をはじめ、餃子が名物の街が日本各地に点在。旅行がてら、各地の餃子を味わってみるのも楽しいでしょう。

◾宇都宮餃子(栃木県宇都宮市)

餃子の種類は?
JR東京駅から宇都宮駅まで東北新幹線で約50分。宇都宮は城跡や歴史的な建造物などが残る北関東一の都市で、日光や那須など人気の観光地へのアクセスも便利。まるでエジプトの古代遺跡のようで幻想的な大谷石採石場跡が見学できる大谷資料館へも駅からバスで約30分。そんな宇都宮は餃子の街としての知名度が全国トップクラス。餃子の消費量日本一の座を毎年争っているほどで、地元の人も週に数回は餃子を食べるのがスタンダードだといわれています。市内には餃子を扱う店が200店舗ほど点在し、宇都宮餃子会に加盟している餃子専門店なども約80店舗あります。宇都宮餃子の特徴は、そのバリエーションの多さ。大きさや素材、皮の厚さや熟成度、包み具合、つけダレなどが店舗によって異なり、様々な餃子を楽しむことができます。また焼き餃子だけでなく、揚げ・水(茹で)餃子なども。白菜などの野菜が多めでさっぱりとした餃子を提供する店が多いので、何個でも食べられると好評です。1皿あたりの価格もリーズナブルなので、様々なお店をまわって食べ歩くのがオススメです。

宇都宮餃子会
http://www.gyozakai.com/

「来らっせ 本店」で宇都宮餃子の名店の味を食べ比べ

餃子の種類は?2
人気の宇都宮餃子を一気に味わえるのが、宇都宮餃子会が運営する「来らっせ 本店」。飲食スペースは人気の有名餃子専門店5店舗が集まる常設店舗ゾーンと、宇都宮餃子会加盟33店舗の餃子を日替わりで満喫できる日替わり店舗のゾーンに分かれ、たくさんの店舗の餃子食べ比べが可能。日替わり店舗ゾーンには一皿で複数の店の餃子が味わえる盛り合わせもあり効率よくお好みを探すこともできます。各店舗の冷凍生餃子が購入できるお土産コーナーや餃子作り体験コーナー(要予約)も。

餃子の種類は?3
宇都宮餃子の5つの人気餃子専門店が集まる常設店舗ゾーンは、フードコートのような造り。各店舗の餃子一皿の相場は6個で250〜500円程度。各店舗の特製ラー油も用意されています。テイクアウト可。

餃子の種類は?4
日替わり店舗ゾーンは曜日によって登場する店舗が異なり、全27種類の餃子が日替わりで楽しめます。「来らっせ」オリジナルのメニューもあり、より多くを味わって餃子グルメを満喫したいのなら、こちらがオススメです。

「来らっせ 本店」
●宇都宮市馬場通り2-3-12 MEGAドン・キホーテ ラパーク宇都宮店地下1階
●028-614-5388
http://www.gyozakai.com/society/kirasse.html
●平日11:00-20:30(LO. 20時)、土曜・日曜・祝日11:00-21:00(LO. 20時30分)
●無休 ※常設店舗のみ平日に1店舗ずつ定休日あり
●JR宇都宮駅から宇都宮駅西口38番乗場より市内循環線「きぶな」にて、二荒山神社下バス停下車すぐ


◾浜松餃子(静岡県浜松市)

餃子の種類は?5
東京と大阪のほぼ真ん中に位置する浜松駅は、JR東海道新幹線で東京駅からも新大阪駅からも約90分という好アクセス。東に天竜川、西に浜名湖、南には遠州灘、北には南アルプスの明石山脈と豊かな自然に囲まれ、海・大地・山の幸に恵まれたグルメが魅力な街です。数々の良質な食材の産地であり、なかでもうなぎと並ぶ名物の代表が「浜松餃子」。毎年餃子の消費量で宇都宮と日本一を争っていて、地元民の餃子への愛着も強い街として有名。浜松や周辺地域は昔からキャベツや玉ねぎの栽培、養豚業が盛んで、浜松餃子にはそれらが使用されています。味はキャベツなど野菜中心であっさりしていますが、豚肉の旨みも加えられていて程よくジューシー。またたとえ口の中が脂っぽくなったと感じても、ドンと盛られたもやしが口の中をリセットしてくれます。各店が自分の店の餃子にあったタレを持っているのも特徴の一つ。こだわりをしっかり持ち、浜松餃子の人気を維持しています。市内には300店を超える餃子取扱店がありますが、その中で浜松餃子学会に加入している餃子提供店は現在187店舗。駅前はもちろん裏路地や住宅街、郊外にも人気店があるなど、至るところに点在しています。

浜松餃子学会
http://hamamatsugyouza.jp/


◾円盤餃子(福島県福島市)

餃子の種類は?6
JR東北新幹線で東京駅から福島駅まで約90分。吾妻連峰などの美しい山並みに囲まれ、豊かな自然が、春は桜などの可憐な花々、夏に緑、秋は紅葉、冬は雪と四季折々の絶景を楽しませてくれます。郊外には飯坂温泉や土湯温泉、高湯温泉などの人気温泉地が点在。さらに農業王国とも評される福島は、グルメ王国でもあります。なかでも地元の人たちに親しまれている名物が「円盤餃子」。野菜たっぷり、油をあまり入れずに焼くのでヘルシーです。フライパンに円を描くように餃子を並べて焼き、そのままひっくり返して皿に盛るので見た目は豪快ですが、さっぱりとしていて20〜30個はペロリといける美味しさ。また福島円盤餃子はビールやお酒とともに食べるのが定番スタイル。サラリーマンが仕事帰りに餃子をつまみにお酒を飲む、という昔からのスタイルがそのまま残っています。ふくしま餃子の会に加盟している円盤餃子提供店13店のうち、半数以上は夕方から開店。福島は日本酒の鑑評会での金賞受賞銘柄数が多い県なので、餃子をおつまみに日本酒を味わうのもオススメです。

ふくしま餃子の会
https://www.f-kankou.jp/ふくしま餃子の会/


◾津ぎょうざ(三重県津市)

餃子の種類は?7
JR名古屋駅から「快速みえ」で津駅まで約50分。三重県の津市は、忍者の里・伊賀市や松坂牛の本場・松坂市に挟まれ、伊勢神宮のある伊勢市の伊勢市駅へ近鉄特急で約30分という位置にあります。全国的に有名な観光地に囲まれた市ですが、天むすや味噌カツ、いちご大福の発祥の地であることは日本人にも意外と知られていません。そんな津市の郷土料理で最近知名度を上げてきているのが、「津ぎょうざ」です。1985年頃に誕生したという津ぎょうざは、そもそも地元の教育委員会の栄養士たちが学校給食用に開発したメニュー。子どもたちの人気メニューが、2008年10月の地元のお祭りではじめて一般に販売され、大評判になりました。その後行政が市内の飲食店にメニュー化を呼びかけ、現在では29店舗で食べられるようになっています。津ぎょうざの特徴は、インパクトのある大きさ。直径15㎝の大きな皮で包まれた揚げ餃子です。餡は店舗によって異なりますが、基本的には豚ひき肉と玉ねぎ、ニラ、調味料を混ぜこねたもので、とてもジューシー。天むすやいちご大福などと同じように、津ぎょうざも今後のブレイクが期待されています。

津ぎょうざ
http://www.tsukanko.jp/gourmet/812/

◾かわさき餃子(神奈川県川崎市)
餃子の種類は?8
中華料理といえば横浜の中華街が有名ですが、外食で中華食に対する支出金額が日本一(※)なのは、同じ神奈川県でも川崎市です。川崎は老舗の餃子店が多く、美味しいと評判の店ばかり。隠れた餃子の街だった川崎がここ10年ほどで徐々に餃子の街としての知名度を上げてきています。2017年9月には全国の餃子が集まる日本最大級のご当地餃子イベントも開催され、「かわさき餃子」も日本中に知れ渡りました。川崎が餃子の街になったのは、東京渋谷・恋文横丁で人気の餃子店(当時は料亭)が、1953年に渡ってきたのがはじまりだといわれています。その頃より餃子を売る店が増え、味を競い合ったおかげで、美味しいと評判の店が多い街になったのだとか。そのため、かわさき餃子にはこれといった特徴がなく、それぞれの店オリジナルの餃子を提供していました。そこに町興しの一環として「かわさき餃子舗の会」が発足。餃子の名店が集まりタレを共同開発、かわさき餃子の味噌ダレが誕生しました。現在では21店舗が「かわさき餃子舗の会」に加盟しています。

※総務省統計局家計調査(2人以上の世帯・1世帯当り年間の支出金額)品目別データ(2006年~2008年平均)

かわさき餃子舗の会
http://kawasaki-gyouzaho.com/

餃子のカロリーは?

たとえ美味しいとはいえ、そう何十個も食べるとなると、気になるのはカロリー。具材や大きさなどによっても異なりますが、焼き餃子1個のカロリーの目安は約47カロリーです。その内訳は、餃子の皮17カロリー、豚ひき肉(5g)11カロリー、キャベツ(7g)2カロリー、ネギ1カロリー、ショウガ1カロリー、ニンニク2カロリー。野菜が多めのあっさりとした餃子なら、さらに低カロリーになります。

餃子の中身は? 楽しみ方

日本の一般的な餃子の具は、豚ひき肉やキャベツ、ニラ、ニンニク、ショウガ。キャベツの代わりに白菜を使ったり、長ネギを加えたり、ニラやニンニクを省いたりするなどして作ることもあります。エビやシイタケ、チーズ、シソ、キムチなど、ほかにも餃子に合う食材がいっぱい。使用食材の違う餃子を食べることで、飽きなく何個も食べることができます。いろんな餃子を食べて、お好みを見つけてみてはいかがでしょうか。

餃子の一般的な作り方

餃子の一般的な作り方
ひき肉やみじん切りにした野菜を調味料(塩・砂糖・醤油・コショウ・ゴマ油・酒・片栗粉など)を加えて混ぜ、こねた餡を、餃子の皮で包みます。焼き餃子の調理法は、鉄板やフライパンで少し焼いてからお湯を入れて蓋をし、数分蒸してから蓋を取って水分を蒸発させ、こんがりと焼き上げる。この調理スタイルは日本独特といわれています。肉の量が多ければ、肉汁たっぷりでジューシーな仕上がりになり、ニンニクの風味を強めればスタミナアップに。逆に野菜を多めにするとヘルシーな味わいに。野菜の甘みと旨みが詰まった餃子は、何個でも食べられるほどさっぱりした味わいになります。細かく刻まれた食材の組み合わせや味付け、皮の厚さなどの違いにより、様々なバリエーションの餃子ができるのです。

餃子のタレはこれ! 醤油・酢・ラー油だけじゃない?

タレは醤油とお酢、ラー油を自分の好みで混ぜあわせるのが一般的ですが、お酢とコショウだけにすれば、さっぱりとした味わいになります。また家庭では、おろしポン酢やマヨネーズ、ゴマドレッシング、ヨーグルトと醤油をつけて食べるのが美味しいとの口コミも。餃子はタレによっても味が変わるもの。オリジナルの餃子のタレを開発した街もあり、タレによって餃子の魅力がさらに広がります。

日本で餃子食べるならここ! JOURNEY of JAPANが勧める名店

日本の食文化に合わせて餡や皮、味付けが進化した今、日本の餃子は「GYOZA」として、世界での知名度を上げてきています。最近は東京のミシュランガイドにも餃子部門ができ、世界的にも注目される日本料理の一つに。そこで最後に『JOURNEY of JAPAN』が勧める新進気鋭の人気餃子店2店を紹介します。

◾ミシュランにも評価された名店「池尻餃子.」

日本で餃子食べるならここ! JOURNEY of JAPANが勧める名店
美食家で知られるマダム・ローズが作った餃子の味に感動したオーナーが、この味を世に広めたいと口説いてお店をオープン。以前は新宿に店を構えて評判を呼びましたが、期間限定の店だったため、惜しまれつつも閉店。その後バリ島に拠点を移していましたが、バリ島でも人気店に。そして日本でも池尻大橋で再スタートすることになり、オープンしたのがこの店です。

日本で餃子食べるならここ! JOURNEY of JAPANが勧める名店2
マダム・ローズが素材にこだわり、手間暇をかけて工房で手作りした餃子を、店長がお店で焼いて調理。マダム・ローズの餃子は、家族に元気になってほしいときに作っていたスペシャルメニューなので、本人の体調の悪い日などは作っていないそうです。この店の名物餃子は、豚肉をたっぷりと使用し、野菜はニラのみ。餡も包み方も日本の一般的な餃子とは違い、皮は揚げ焼きされているのでカリッと、牛や豚などからとった煮こごり状のダシが練りこまれている餡はトロっとしています。オススメは名物餃子と大葉の餃子、鶏とパクチーの餃子、15種類以上の旬の野菜が入った餃子、無添加のエビを使用した餃子の5種盛。また野菜の餃子はビーガンやベジタリアンなどの口コミで広がり評判に。タレも独特で、柚子胡椒、オリジナルのラー油、サンバル(インドネシアのチリソース)の3種。その他、水餃子や餃子丼、そうめん、おつまみ、デザートなどのメニューもあります。ドリンクもお酒やワイン、カクテルなどと豊富。かわいらしいアイテムや装飾が施されている店内は、アットホームな雰囲気で女性にも好評です。

「池尻餃子.」
●東京都世田谷区池尻 2-26-6
●03-6453-1968
https://www.ikejiri-gyoza.com/
●火〜土 12:00-14:00/16:00-24:00、日16:00-24:00 ●月曜・第2日曜定休 ●東急田園都市線池尻大橋駅南口から徒歩約4分


◾フレンチテイストの餃子が味わえる「GYOZA BAR AOYAMA」

日本で餃子食べるならここ! JOURNEY of JAPANが勧める名店3
フレンチテイストの餃子というと想像しにくいでしょうが、餃子をパテに見立てるとイメージしやすいのではないでしょうか。「GYOZA BAR AOYAMA」をプロデュースしたのは、ミシュランで星を獲得した経歴を持つ青山のレストラン「鳴神」のオーナーシェフ、鳴神正量(なるかみ まさかず)さん。鳴神シェフがパリを訪れた際に、現地のGYOZAバーが人気を集めているのを目の当たりにしたことがきっかけで、この店をオープンしました。

日本で餃子食べるならここ! JOURNEY of JAPANが勧める名店4
オーソドックスな肉や野菜の餃子もありますが、パクチーやミョウガをのせた餃子、オニオンスープグラタン風の餃子など、独創的なメニューが揃っています。卓上には醤油やお酢、ラー油も置いてあり、一般的なタレで餃子を味わうこともできますが、3種類のオリジナルソースがつくのがポイント。具は豚肉、キャベツ、ニラ、ネギ、シイタケがベースで定番的でもありますが、ニンニク不使用でワインと合うようにソースが用意されています。その他、季節によって登場するGYOZAも。サイドメニューも充実しており、一品一品がリーズナブルな価格なのでビストロ感覚で気軽に味わえるのも魅力です。

「GYOZA BAR AOYAMA」
●東京都渋谷区渋谷2-2-4 青山アルコープ205
●03-6427-6116
http://www.aoyama-gyozabar.com/
●16:00-23:45(LO. 23時30分)
●日曜定休
●東京メトロ表参道駅B1出口から徒歩約6分。JR渋谷駅15出口から徒歩約8分

餃子のまとめ

日本のソウルフードとして定着した餃子には、料理人のこだわりやセンスがギュッと詰まっています。地方へ行けば、その土地自慢の食材を使ったものも。そこかしこで食べられる餃子ですが、その味は千差万別の味や風味で、オリジナリティあふれるものばかり。日本を訪れたら、ぜひ餃子の食べ歩きを楽しんでみてはいかがでしょうか。

※2018年7月23日現在の情報です。詳細は直接お問い合わせの上おでかけ下さい。

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