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シリーズ「京都の南」の寺巡り 平等院&醍醐寺 冬の魅力編

2018.03.06

たくさんの寺社仏閣が立ち並ぶいにしえの都・京都。祇園界隈や嵐山だけを巡って満足してはいませんか?京都市内だけでも、少し南に足を伸ばせば伏見稲荷大社や世界遺産の醍醐寺、そして宇治市は平等院と宇治上神社という2つの世界遺産が、豊かな水量を誇る宇治川を挟んで広がっています。

このシリーズでは、「京都の南」の寺社にスポットを当て、日本の美しい四季とともにご紹介していきます。今回は「源氏物語」宇治十帖の舞台、さらには良質な日本茶の産地として知られる宇治を中心に、世界遺産の冬の魅力をお伝えします。

10円硬貨に彫られた「鳳凰堂」が有名な世界遺産「平等院」

平安時代に宮中で権勢をほしいままにした藤原氏。その中でも最盛期を築いた藤原道長の別荘を、子である藤原頼通が寺に改めたのが平等院の始まりです。

10円硬貨に彫られた「鳳凰堂」が有名な世界遺産「平等院」 ©平等院

最も有名なのは、10円硬貨に刻まれた「鳳凰堂」。2014年に修復が終わり、赤色の柱が際立つ当時の姿により近づいています。左右対称の優美な建物は、上空から見ると伝説の鳥・鳳凰が両翼を広げたように見えることからその名が付きました。

10円硬貨に彫られた「鳳凰堂」が有名な世界遺産「平等院」2 ©平等院

鳳凰堂内には平安時代の名高い仏師の傑作・阿弥陀如来坐像が安置されています。

10円硬貨に彫られた「鳳凰堂」が有名な世界遺産「平等院」3 ©平等院

平等院境内にあるミュージアム「鳳翔館」には52体の雲中供養菩薩像や梵鐘、鳳凰堂の屋根を飾っていた鳳凰などが展示されています。またCGなどあらゆる技術を駆使し、当時の華やかな彩色などを復元した展示も一見の価値ありです。

10円硬貨に彫られた「鳳凰堂」が有名な世界遺産「平等院」4 ©平等院

おすすめの観光時間は寒い朝。庭園にうっすらと霜の降りた風景は、平安時代の貴族たちも好んで和歌(31文字で書かれた詩)に詠んでいます。千年以上前の人々の雅な視点を感じて下さい。

「平等院」
●0774-21-2861
●京都府宇治市宇治蓮華116
http://www.byodoin.or.jp/
●8:30-17:30(17:15受付終了)、鳳翔館9:00-17:00、鳳凰堂内部拝観は9:10-16:10(20分ごとに50名ずつ先着順に案内、定員になり次第終了)
●無休
●拝観料大人600円、中高生400円、小学生300円
*鳳凰堂拝観料は別途300円

「源氏物語」の世界を体感できる「宇治市源氏物語ミュージアム」

「源氏物語」の世界を体感できる「宇治市源氏物語ミュージアム」
平安時代の女流作家・紫式部による世界最古の長編小説「源氏物語」をテーマにしたミュージアム。主人公・光源氏の邸宅「六条院」をはじめ、当時の貴族の衣装や調度品、牛車の復元展示などにより物語の中に入り込んだような気分で楽しめます。

「源氏物語」の世界を体感できる「宇治市源氏物語ミュージアム」2
「宇治十帖(源氏物語の主人公・光源氏の死後、息子と孫が宇治を舞台に繰り広げる恋物語)」をテーマにした2本の短編映画の上映(各20分)なども楽しめるほか、2018年2月21日からは宇治茶の歴史や宇治十帖ゆかりの名所も紹介する、企画展「宇治市歴史資料館合同企画 お茶と名所と宇治と」が始まるのでぜひ訪ねてみて下さい。

「源氏物語」の世界を体感できる「宇治市源氏物語ミュージアム」3 企画展で展示される江戸時代に出版された京都のガイドブック「都名所図会(宇治市歴史資料館蔵)」

「宇治市源氏物語ミュージアム」
●0774-39-9300
●京都府宇治市宇治東内(うじひがしうち)45-26
http://www.uji-genji.jp/
●9:00-17:00(入館は16:30まで)
●月曜(祝日の場合は翌日)・年末年始
●観覧料大人500 円、小人250円

日本最古の社殿を持つ世界遺産「宇治上神社」


平安時代後期に建てられたと推定されている本殿と、平安時代の住宅建築様式「寝殿造」をしのばせ、鎌倉時代に建立されたとされる拝殿は、ともに現存する日本最古の木造社殿建築です。

日本最古の社殿を持つ世界遺産「宇治上神社」 本殿

また境内には「宇治七名水」のひとつ、「桐原水」(きりはらみず)が湧き出しています。「宇治七名水」は桐原水以外現存していませんが、宇治がお茶の里と呼ばれる一つの理由になったほど良質な湧水もありました。今、桐原水を飲んだり水の中に入ったりすることはできませんが、小屋の中の澄んだ水でぜひ手を清めてお参りください。

日本最古の社殿を持つ世界遺産「宇治上神社」2 桐原水

「宇治上神社」
●0774-21-4634
●京都府宇治市宇治山田59
http://www.pref.kyoto.jp/isan/ujigami.html
●拝観自由

「通圓」(つうえん)

「通圓」(つうえん)
平安時代に有力者の家臣が草庵を建てたことを起源とし、宇治橋の橋守(番人)を務め、道行く人にお茶を提供してきた老舗の茶屋です。代々の店主の苗字である通円の名は、日本の書物や狂言(中世に始まった、風刺の効いたお芝居)にも登場するほどです。

「通圓」(つうえん)2
店内にはかつて茶葉の保管に使われていた茶壷のほか多くの古道具が残されており、茶屋の歴史を目の当たりにすることができます。

「通圓」(つうえん)3
また茶房には茶そばや抹茶ソフトクリームのほか、抹茶蜜をたっぷりかけたあんみつなど数多くのメニューが並んでいます。

「通圓」(つうえん)4
通圓の茶葉は、どれも店主が厳選した上質な宇治茶ばかりですが、京都の中でもここでしか手に入れることはできません。ぜひ旅のお土産に一つ持ち帰ってください。

「通圓本店」
●0774-21-2243
●京都府宇治市宇治東内1
http://www.tsuentea.com/
●9:30-17:30
●無休

山一帯に数多くの堂宇が築かれた「醍醐寺」

山一帯に数多くの堂宇が築かれた「醍醐寺」
山一帯に数多くの堂宇が築かれた「醍醐寺」2
醍醐山一帯を寺域とし、山上の「上醍醐(かみだいご)」、ふもとの「下醍醐(しただいご)」に清瀧宮(せいりゅうぐう)拝殿や五重塔、観音堂や弁天堂といった多くのお堂が点在する見どころいっぱいの広大な寺院です。

山一帯に数多くの堂宇が築かれた「醍醐寺」3
毎年2月23日には、金堂で平和や人々の幸福を祈願する「五大力尊仁王会(ごだいりきそんにんのうえ)」が催され、多くの人で賑わいます。この日のみ授与される災難・盗難除けのお札「御影(みえい)」は、現代でも京都の多くの商店や住宅の入り口に貼られ、人々の信仰を集めています。

山一帯に数多くの堂宇が築かれた「醍醐寺」4
特に盛り上がるのは、力自慢たちがその力を奉納し、無病息災や身体堅固を祈願する「餅上げ力奉納」です。女性90kg、男性150kgもの巨大な餅を持ち上げ、抱えていられる時間を参加者同士が競う様子には圧倒されます。

「醍醐寺」
●075-571-0002
●京都市伏見区醍醐東大路町22
https://www.daigoji.or.jp/
●9:00-16:30(3月1日~12月10日は~17:00、閉門の一時間前に拝観受付終了。上醍醐への入山は15:00まで)
●無休
●拝観料大人800円、中高生600円、小学生以下無料(春・秋は大人1500円、中高生1000円)
*上醍醐入山料は別途大人600円、中高生400円、小学生以下無料

※2018年1月15日現在の情報です。詳細は直接お問い合わせの上おでかけ下さい。

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